培養液の成分濃度の変化
2015年11月28日 - 未分類
養液の中には、硝酸態窒素やカリウム、マグネシウム、カルシウムなどの無機成分が入っています。養液中の無機成分は、植物の根から吸収されて、植物の細胞内に入っていきます。植物に吸収された分だけ、養液中の無機成分は減少しているはずです。
では、どれくらい減少するものでしょうか? 感覚的には、植物が吸収する無機成分の量などは、たかが知れていて、ほとんどの無機成分が養液中に残っているのだろうと思っていました。ところが、、、、
丸尾ら,”水耕レタスの無機成分吸収に及ぼす培養液濃度の影響”,71(5):pp.675-682,2002,園学雑.
に興味深い実験例がありました。水耕栽培のレタスでは、園試仕様の濃い養液でも、10日ほどで無機成分を吸収しきっています。
さらに驚くべきは、無機成分がほとんど無くなるまで吸収しているということです。養液は70リットルも入れたそうです。苗は、90株も入った大型の水耕栽培装置での実験結果です。
ここまで、きれいに吸収させるには、養液が流動している必要があります。湛水型ではこうはならないでしょう。
なので、植物がよく育っている期間、養液は10日毎に、新しい養液に入れ替えたほうがよいことになります。また、養液濃度に関しては、薄くしても養液中の無機成分の吸収速度に差はなく、薄いほど、早く無機成分がなくなってしまうという結果です。
アイティプランターは養液量が1.5リットル、苗数が9株だとすると、この実験よりも5倍早く、無機成分が減ることになりますが、実際にはどうなのでしょうか。一度、測定してみたいですね。