ペルチェ素子の検討

2018年3月1日 - 未分類

ペルチェ素子の検討を行いました。そもそもは、6Amaxのペルチェ素子を使っていたのですが、もっと強力に冷やそうということで、12Amaxのペルチェにしたことが発端となります。ペルチェを換えた途端に、何故か、冷えなくなったのです。原因を調べていきました。

先ずは、RaspberryPiに取り付ける実験用基板を作成しました。ペルチェの実験だけでなく、レーザーの実験もできるように作ってあります。

これに、ドライバーユニットを接続してペルチェ素子につなぎます。ペルチェ素子は、発熱側にCPUクーラーが取り付けてあります。これで、Raspberry PiでCPUクーラーの制御もできます。三端子のCPUクーラーなら、回転数が測定できます。四端子のCPUクーラーなら回転制御ができます。CPUクーラーのPWM制御をして、初めて知ったのですが、PWM0%にしてもCPUファンは低速で回転し続けます。また、PWM100%と、PWM端子に何も信号を与えないのとは同じことで、最大回転数で回転します。

話題をペルチェに戻して、

温度の測定には、2つのDS18B20を使って、それぞれをペルチェ冷却面と放熱面にテープで固定してあります。5秒間隔で温度を記録しています。

12Amaxのペルチェ素子では、12VでPWM制御すると、最初は順調に冷却されるのですが、時間の経過とともに、温度が上昇してしまいます。

これは、ペルチェ素子内部でジュール熱が発生して、冷却側にジュール熱が押し寄せることで冷えなくなります。12Amaxのペルチェ素子は、ジュール熱発生が非常に多いと言えます。

冷却性能が電流に比例し、ジュール熱発生が電流の二乗に比例します。なので、ジュール熱の発生を抑えるには、放熱の他にも、電流を少なくする必要があります。少なくとも、冷却のほうが優位になるところまでは、電流を減らす必要があります。

12VでPWM制御していたのですが、PWM 1%にしても発熱は止まりませんでした。0Vから12Vに変わった途端に、ジュール熱が発生しているようです。12V PWM10%で、DC1.2V印加に相当だと考えていたのですが、ペルチェの応答速度が早いので、平均値では応答していませんでした。もはや、PWMの電圧を下げるしか、対策が思いつきません。

そこで、ペルチェ素子とドライバーユニットとの間に、降下型のDCDCコンバーターを入れて、12V PWMを3V PWMに変換してみました。

電圧を色々変えて、冷却面の温度変化を測定した所、3VのPWMの時に、温度が上昇しなくなりました。これは、ジュール熱と冷却熱が平衡に達したということです。3Vから1.5Vまで下げても、大きな変化はありませんでした。これは、電圧がさがると同時に、冷却性能も低下するからです。3V電圧のPWM制御をすれば、少なくとも冷やすことができることが分かりました。

次に、普段は12V PWMで使っている6Amaxのペルチェ素子にも、最適なPWM電圧があると考えて実験してみました。

6Amaxのペルチェ素子の場合には、定格12Vの半分の5.5VでPWM制御した時に、最も高い冷却性能になりました。これは、空冷式のCPUクーラーを使った場合のことです。

さらに、CPUクーラーの違いによるペルチェ温度の比較を行いました。

水冷式CPUクーラーを使った場合、空冷式CPUクーラーよりも冷却できていることがわかります。その差は、約5℃といったところでしょうか。

今回の教訓です。

ペルチェは大電流のものを選んではいけない。放熱のことを考えると、6Amaxのペルチェが最も適している。大電流ペルチェは、巨大な放熱器が必要だと考えるべし。

 

 

 

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