湿度制御

2018年10月12日 - 未分類

ITBOXでは、温度の制御ができます。しかし、温度を一定に制御すると、湿度が敏感に変化します。また、今まで、湿度の制御はできませんでした。そこで、温度調整の他に、湿度調整もできるようにしました。

湿度制御の要点は、1)加湿、2)除湿、3)加温になります。

加湿に関しては、超音波加湿器で、水分を霧状にして空気を湿らせます。除湿に関しては、ペルチェ素子の冷却側で、空気中の水分を結露させて、空気中から水分を除去します。この時、空気の温度が下がるので、ヒーターで加熱して温度を保ちます。

ペルチェは12V6Aタイプのものです。ヒーターはフィルム上のヒーターにしました。ペルチェは冷却動作だけ、ヒーターは加熱動作だけのPWM制御です。超音波加湿器もPWM制御で霧を発生させます。閉鎖空間では、超音波加湿器だけでは、湿度が上がるだけなので、湿度制御はできません。

加湿と除湿が組み合わされて、初めて、湿度制御が可能になります。

超音波加湿器は、超音波ユニット部分だけのものを、水を入れたコップの中に浮かべます。小型ながら、結構、霧を発生させることができます。

水耕栽培の養液に浮かべて、養液成分毎、霧にして噴霧するのもいいでしょう。

除湿性能ですが、ペルチェ素子で、結構、すばやく除湿できています。

ただし、湿度は敏感に変動するので、ペルチェ制御のPID値の設定には工夫が必要です。

比例定数 Kpは十分に小さく設定する必要があります。

除湿ユニットの実装例です。スペースの都合で、除湿ユニットと温度制御ユニットは別にしました。

湿度調整ユニットの背面写真

 

除湿限界

湿度78%RH、気温20℃の環境にITBOXを置いて、どれだけ湿度が下げられるか実験しました。26℃一定で、43%RHまでは順調に除湿できました。

ヒーターの加熱比率を高めて、温度制御側のペルチェも露点以下になるように制御すれば、30%RHくらいまでは下げられそうです。でも、今の所、湿度制御範囲は、100%RH〜40%RHの範囲かな。数分で、50%RHていどは減らせる。

 

湿度制御ユニットと温度制御ユニットを別にしたため、温度と湿度を独立して制御できるようになりました。

これにより、ITBOXは、温度と湿度が同時に制御できる簡易的なグロースチャンバーとして利用できるようになりました。湿度が特に重要な菌類、きのこ類の栽培に適しています。また、高温高湿な熱低性環境や、高温低湿な乾燥地帯環境も実現できます。さらには、低温高湿、高温低湿な環境も実現可能です。

湿度調整ユニットの内部写真

 

Translate »