iPS細胞

2016年9月22日 - 未分類

日本生物環境工学会2016年金沢大会の一般市民参加型特別講演で、黒木登志夫先生の講演を拝聴して、感銘を受けたので、著書の「iPS細胞 不可能を可能にした細胞」,中公新書,2015.を読みました。

この本は、裏側に書かれてある、基本を読んでから、本文を読むといいですね。

わかりやすく、iPS細胞を説明されています。そもそも、分化した細胞の核の中にある染色体に格納されているDNAは、その細胞の分化によって、遺伝子がメチル化されていたり、ヒストンで巻き込まれていたりして、特定の遺伝子が発現できない状態になっている。この制限を取り除けば、全ての遺伝子が発現できる状態、すなわち、初期状態に戻れる。

 

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山中伸弥教授は、この初期化がたった4つの遺伝子を導入することで実現できることを発見してノーベル賞を獲得した。しかし、初期化した細胞を、どのように分化させて、特定の組織に進化させるかは、未だ、研究段階にある。

また、iPS細胞は、DNAの構成を変更しないので、もとものあった遺伝子欠損などは引き継がれてしまう。アルツハイマー病の人から作ったiPS細胞は、30日ほどでアルツハイマー病になってしまう。遺伝的な病気は、iPS細胞では直せない。

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